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シャキシャキ食感がやみつき!マコモダケの魅力と簡単活用レシピ

Tags: マコモダケ, 野菜, 下処理, 簡単レシピ, 秋の味覚

スーパーの野菜売り場で、ひときわ目を引く不思議な形の野菜、それがマコモダケです。「これは一体何だろう?」「どうやって食べたら良いのだろう?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、マコモダケの正体から、新鮮なものの選び方、適切な保存方法、そして最も重要な下処理の方法までを詳しく解説します。さらに、ご家庭で簡単に作れる美味しい活用レシピもご紹介しますので、マコモダケを安心して食卓に取り入れるきっかけとしていただければ幸いです。

マコモダケってどんな食材?

マコモダケは、イネ科の植物「マコモ」の茎に「黒穂菌(くろぼきん)」という菌が寄生することで、根本部分が肥大化したものです。その見た目は、ちょうどタケノコが少し太くなったようなユニークな形をしています。

茎の中に黒い斑点が見られることがありますが、これは黒穂菌の胞子によるもので、食べても全く問題ありません。むしろ、黒い斑点が多いほど、菌がよく回って肥大が進んでいる証拠であり、一般的には美味しいマコモダケとされています。

選び方・保存方法・下処理

マコモダケを美味しくいただくためには、新鮮なものの選び方と適切な下処理が重要です。

選び方

保存方法

マコモダケは鮮度が落ちやすい食材です。購入したら、できるだけ早く調理することをおすすめします。

下処理

マコモダケの調理で最も重要なのが下処理です。硬い外側の皮をむくことで、柔らかく美味しい部分が現れます。

  1. 外側の硬い皮をむく: マコモダケの根元を切り落とし、包丁で縦に数カ所切り込みを入れます。切り込みを入れた部分から、アスパラガスの皮をむくように、または手でむけるところまで外側の硬い皮をむいていきます。根元に近い部分は特に硬いので、しっかりとむきましょう。皮の色が白っぽく、柔らかい部分が見えてくるまでむき続けてください。
  2. 根元と先端を切り落とす: 皮をむいた後、さらに硬すぎる根元の部分と、乾燥して色が変わっている先端部分を切り落とします。
  3. 水で洗う: 軽く水で洗い、表面の汚れを落とします。
  4. (黒い斑点について) 茎の中に黒い斑点(黒穂菌の胞子)が見えることがありますが、これは食べても問題ありません。気になる場合は、その部分を包丁で薄く削り取るか、加熱することで目立たなくなります。

この下処理を終えたら、お好みの大きさに切って、炒め物、煮物、揚げ物など、様々な料理に活用できます。アク抜きは不要ですので、手軽に調理に取りかかれるのもマコモダケの魅力です。

マコモダケの簡単活用レシピ集

下処理さえしてしまえば、マコモダケはシンプルな調理法でもその美味しさを存分に楽しめます。ここでは、ご家庭で手軽に作れるレシピを3品ご紹介します。

レシピ1:マコモダケのシンプルバター醤油炒め

マコモダケのシャキシャキ食感とほのかな甘みが引き立つ、手軽な一品です。

材料(2人分) * マコモダケ:2〜3本 * バター:10g * 醤油:大さじ1 * 塩こしょう:少々 * (お好みで)青ネギ(小口切り):適量

作り方 1. 下処理を済ませたマコモダケを、5mm厚さの斜め切りにします。 2. フライパンにバターを熱し、マコモダケを加えて中火で炒めます。 3. マコモダケに少し透明感が出て、焼き色がついたら醤油を回し入れ、全体に絡めます。 4. 塩こしょうで味を調え、器に盛り付けます。お好みで青ネギを散らして完成です。

美味しく作るコツ 強火でサッと短時間で炒めることで、マコモダケのシャキシャキとした食感を最大限に活かせます。炒めすぎると食感が失われるので注意してください。

所要時間 約10分

レシピ2:マコモダケと豚肉のオイスターソース炒め

中華風の味付けでごはんが進む、ボリューム満点のおかずです。

材料(2〜3人分) * マコモダケ:2本 * 豚こま切れ肉:200g * ピーマン:2個 * しめじ:1/2パック * ごま油:大さじ1

<調味料> * オイスターソース:大さじ1と1/2 * 醤油:大さじ1 * 酒:大さじ1 * 片栗粉:小さじ1

作り方 1. 下処理を済ませたマコモダケは、薄切りにしてから細切りにします。ピーマンは種を取り除き、細切りにします。しめじは石づきを落としてほぐします。 2. 豚肉は食べやすい大きさに切り、<調味料>を全て混ぜ合わせておきます。 3. フライパンにごま油を熱し、豚肉を炒めます。色が変わったら、しめじを加えて炒め合わせます。 4. しめじがしんなりしたら、マコモダケとピーマンを加えて、さらに炒めます。 5. 全体に火が通ったら、混ぜておいた<調味料>を再度よく混ぜてからフライパンに入れ、手早く全体に絡めて完成です。

美味しく作るコツ マコモダケとピーマンは、食感を残すために炒めすぎず、最後に加えてサッと火を通す程度にすると良いでしょう。片栗粉が調味料全体を均一に絡ませ、とろみをつけることで、より美味しく仕上がります。

所要時間 約15分

レシピ3:マコモダケの天ぷら

外はサクサク、中はシャキシャキの食感が楽しめる、旬の味覚を堪能できる一品です。

材料(2人分) * マコモダケ:2本 * 天ぷら粉:大さじ3 * 冷水:大さじ3 * 揚げ油:適量 * (お好みで)塩(抹茶塩など):少々

作り方 1. 下処理を済ませたマコモダケを、5mm厚さの斜め切りにします。 2. ボウルに天ぷら粉と冷水を入れ、軽く混ぜて衣を作ります(混ぜすぎない方がカラッと揚がります)。 3. 揚げ油を170〜180℃に熱します。 4. 切ったマコモダケに薄く衣をつけ、油に入れます。片面がきつね色になったら裏返し、両面が色づいてカラッと揚がったら油を切ります。 5. 器に盛り付け、お好みで塩を添えて完成です。

美味しく作るコツ 衣は冷水を使うことでサクサクに揚がります。また、混ぜすぎると粘りが出てしまうため、粉っぽさが少し残る程度で止めるのがポイントです。高温で短時間で揚げることで、マコモダケの食感を損なわずに美味しく仕上がります。

所要時間 約15分

まとめ

スーパーで見かける独特の姿をしたマコモダケも、その正体と下処理の方法を知れば、決してハードルの高い食材ではありません。ほのかな甘みとシャキシャキとした食感は、シンプルに炒めるだけでも、中華料理や天ぷらとしても美味しくいただけます。

秋の味覚として期間限定で出会えることが多いマコモダケを、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。今回ご紹介したレシピを参考に、ご家庭で旬の美味しさを楽しんでみてください。