ゴツゴツした見た目にびっくり!キクイモの正体と簡単活用レシピ
導入
スーパーの野菜売り場で、ゴツゴツとしてショウガのような、あるいはジャガイモのような不思議な野菜を見かけたことはありませんか。それが「キクイモ」かもしれません。見た目のインパクトから「これ、どうやって食べるのだろう?」と、思わず手に取るのをためらってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、そんなキクイモの正体から、選び方、保存方法、そして調理のハードルとなる下処理のコツ、さらに家庭で簡単に試せる美味しいレシピまで、キクイモを安心して楽しむための情報をお届けします。
キクイモってどんな食材?
キクイモは、北アメリカ原産のキク科ヒマワリ属の植物で、その根の部分が食用とされます。見た目はショウガに似ていますが、全く別の食材です。
- 見た目: 土付きのままだと、ゴツゴツとした不揃いな形をしています。皮の色は薄茶色から紫色がかったものまで様々です。
- 味と香り: ほんのりとした甘みがあり、ゴボウやレンコンに似た、少し土っぽい、素朴な香りが特徴です。生で食べるとシャキシャキとした食感が楽しめ、加熱するとホクホクとした食感になります。
- 旬: 主に秋から冬にかけてが旬の時期で、11月から2月頃によく出回ります。
- 栄養価: 特に注目すべきは、水溶性食物繊維の一種である「イヌリン」が豊富に含まれていることです。イヌリンは体内で糖質の吸収を穏やかにする働きが期待されており、健康志向の方にも人気の理由となっています。また、ミネラル類もバランス良く含まれています。
選び方・保存方法・下処理
キクイモを美味しくいただくためには、新鮮なものの選び方と適切な保存、そして丁寧な下処理が重要です。
選び方
- 硬さ: 全体に硬く締まっているものを選びましょう。柔らかくなっているものは鮮度が落ちている可能性があります。
- 傷の有無: 表面に傷や黒ずみが少ないものの方が、鮮度が良いとされています。
- 土付き: 土付きのものは、より新鮮さが保たれていることが多いです。
保存方法
- 土付きのままの場合: 新聞紙などで包み、風通しの良い冷暗所で保存すると、1ヶ月程度持ちます。
- 洗ってしまった場合、または使いかけの場合: 乾燥を防ぐため、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。この場合、鮮度は1週間程度です。
下処理
キクイモの調理で最も気になるのが下処理かもしれません。しかし、意外と簡単です。
- 泥を落とす: まず、流水でキクイモの表面についている泥を丁寧に洗い落とします。ゴツゴツしているので、たわしやブラシを使うと効率的です。細かな隙間にも泥が入り込んでいることがありますので、しっかりと洗い流してください。
- 皮の処理: キクイモの皮は非常に薄く、アクも少ないため、基本的に皮ごと調理できます。 皮には栄養も含まれていますので、よく洗えばそのまま食べることが推奨されます。
- もし皮が気になる場合は、ピーラーで薄くむくか、たわしでこすり洗いをするだけでも薄皮が取れます。形が複雑な部分は、包丁の刃先でこそげ取るようにすると良いでしょう。
- 変色について: キクイモは空気に触れると切り口が酸化して変色しやすい性質があります。切ったらすぐに調理するか、水にさらしておくと変色を抑えることができます。ただし、アク抜きは不要です。
キクイモの簡単活用レシピ集
キクイモの素朴な味わいと食感を活かした、家庭で手軽に作れるレシピをいくつかご紹介します。
1. シャキシャキ食感が楽しい!キクイモのきんぴら
ゴボウのような風味とシャキシャキとした食感が、きんぴらにぴったりです。
必要な材料(2人分): * キクイモ:200g * ごま油:大さじ1 * 鷹の爪(輪切り):少々(お好みで) * A. 醤油:大さじ2 * A. みりん:大さじ2 * A. 砂糖:小さじ1 * 白いりごま:適量
作り方: 1. キクイモはよく洗い、皮ごと千切りにします。水にさらして変色を防ぐ場合は、調理直前に水気をよく切ってください。 2. フライパンにごま油と鷹の爪を熱し、キクイモを加えて強火で炒めます。 3. キクイモが少ししんなりしてきたら、Aの調味料を加えて汁気がなくなるまで炒め煮にします。 4. 火を止めて器に盛り、白いりごまを振って完成です。
美味しく作るコツ: * 強火で一気に炒めることで、シャキシャキ感を保ちます。 * 甘さはお好みで調整してください。 所要時間: 約15分
2. ホクホク甘い!キクイモの素揚げ
シンプルに揚げることで、キクイモ本来の甘みとホクホク、カリッとした食感が楽しめます。
必要な材料(2人分): * キクイモ:200g * 揚げ油:適量 * 塩:少々 * 青のり:適量(お好みで)
作り方: 1. キクイモはよく洗い、皮ごと5mm厚程度の輪切りまたは半月切りにします。水気をしっかり拭き取ってください。 2. 揚げ油を170℃に熱し、キクイモを入れます。 3. 表面がきつね色になり、中まで火が通るまで5分程度揚げます。 4. 油を切って器に盛り、熱いうちに塩や青のりを振って完成です。
美味しく作るコツ: * 油に入れる前に、キクイモの水気をよく拭き取ることで、油跳ねを防ぎ、カリッと揚がります。 * 揚げすぎると焦げ付くので、様子を見ながら揚げましょう。 所要時間: 約10分
3. 優しい味わい、キクイモと鶏肉の煮物
鶏肉の旨味がキクイモに染み込み、ホクホクとした食感と相まって、ご飯が進む一品です。
必要な材料(2〜3人分): * 鶏もも肉:200g * キクイモ:200g * だし汁:200ml * 醤油:大さじ2 * みりん:大さじ2 * 砂糖:大さじ1 * サラダ油:小さじ1
作り方: 1. 鶏もも肉は一口大に切ります。キクイモはよく洗い、皮ごと乱切りにします。 2. 鍋にサラダ油を熱し、鶏肉を皮目から焼きます。表面に焼き色がついたら裏返して軽く焼きます。 3. キクイモを加えて軽く炒め合わせます。 4. だし汁、醤油、みりん、砂糖を加えて、煮立ったらアクを取り、落とし蓋をして弱火で15分程度煮込みます。 5. キクイモが柔らかくなったら火を止め、器に盛り付けて完成です。
美味しく作るコツ: * 鶏肉を先に焼くことで香ばしさと旨味が増します。 * 煮込む時間は、キクイモの大きさや好みで調整してください。 所要時間: 約25分
まとめ
スーパーで見かけるゴツゴツしたキクイモも、その正体や下処理のポイントが分かれば、決して難しい食材ではありません。生でシャキシャキ、加熱してホクホクと、様々な食感と優しい甘みが楽しめるキクイモは、きんぴらや素揚げ、煮物など、家庭で手軽に作れる料理で活躍します。
特にイヌリンが豊富な健康食材としても注目されており、食卓に取り入れることで、日々の食事を豊かにしてくれることでしょう。ぜひこの記事を参考に、キクイモに挑戦して、その美味しさを発見してみてください。